The Normal One
Brendan Rodgers has been sacked as LFC manager.
突然の監督解任劇は、英国に少なくない影響を及ぼし、その衝撃は地球のみならず銀河系にまで波及したとも言われている。
10月某日、ポゼッション星。
ペップ・ポゼルディオラ「ポゼンダン・ロジャーズがやられたようだな・・・」
ポゼ・へメス「フフフ・・・奴は四天王の中でも最弱。」
アンドレ・ビラス・ボアス「エバートンごときに勝ちきれぬとはポゼッション族の面汚しよ・・・」
ポゼルディオラ&へメス「・・・」(エッ・・・最弱は・・・)
こういった具合である。
また同郷であり同じ英国で指揮を執るポーゼン・ベンゲルやマヌエル・ポゼグリーニも彼の失墜を酷く嘆き、悲しんでいた。
内心、次は自分では無いか?という不安もあったであろう。
ポゼッション族は固い守備組織を作れない生き物で、その多くはボールを保持し続ければ、相手から攻められることはない!と強く思い込む習性を持つ。
拙い守備で時に不安定な様子を見せるが、壮大なロマンとポゼッション思考をチームに投影する。
その大半が夢半ばにして地に墜ちるが、身体が燃え尽き、灰となる姿は儚くも美しい。
こうしてポゼッション族は監督生涯を終える・・・(完)
リバプールFCはブレンダン・二台目シックスワン・ロジャーズを解任。
その後任に世界で最もアツい男、ユルゲン・クロップの就任を発表しました。
就任会見では自身をSpecial Oneと表現するジョゼ・モウリーニョに対抗?し
(なんJばりの雑コラである。)
*Klopp’s Liverpool
まずはフォーメーションから。
現時点でのベストメンバーはこの布陣だと思っています。
1トップだけ、まだ明確な優劣がわかりませんがコンディションや相手によって先発は変わっていくと認識しています。
ヘンダーソンが怪我から戻ってきた際、どうなるのか気になる所。
*Defense
まずは守備だ!守備から手を付ける!
とクロップが高らかに宣言した守備面から見ていきましょう。
ではプレッシングから。
局面は右から左にプレスをかけるリバプール。
1トップはオリギ。
相手のルビンカザンはワイドに広げた両SBと中央の両CBでビルドアップしていく形。
中盤への縦パスは基本的にシャドー(時にアンカー)の2人がチェック。
オリギは両CB間にポジショニングし、横からチェイス。
CB同士のパス交換を妨害し、攻撃させるサイドは決めさせるが、そのタイミングは決めさせない。と言った狙いでしょう。
CBは右サイドのSBヘパス。
パスを受けたSBには、左インサイドハーフのチャンが対応。
まずはSBのドリブルコースを切ります。
それと同時にシャドーは中盤へのパスコース、オリギはCBへのバックパスを遮断。
「近くのパスコースから遮断し、選択肢を失ったSBからボールを刈り取る。」
ボールをサイドへ誘導し、逆サイドも中央まで絞る+DFラインの押し上げによりスペースを圧縮→ボールを略奪→カウンターが理想的な流れ。
SBから直接奪えなくても、SBから出たパスを継続的なプレスで回収。
もしくはプレスを嫌がり、ボールを大きく蹴り出されたらCBが回収。
図でやるとこうなんですけども。
ピッチを縦に2分割し、ボールの無いサイドを捨て、ボールサイドへ絞る。
スペースの圧縮を目的とし「SB」を獲物にしたクロップの明確なプラン。
受け手を捕まえる守備が主体だった前任者とはこういった違いが見られます。
まあ、どちらも一長一短なのですが。
次は、ボールを自陣に運ばれた場合。
素直にリトリートし、4-4-1-1や4-1-4-1で守備ブロックを形成します。
局面はリトリートするリバプール
ボールマンへチャレンジを行うミルナー。
アンカーのルーカスはバイタルエリアをカバーするために絞る。
これはチャレンジ&カバーの基本形。
ボールはサイドから中央へ。
さっきのボールマンはパス後は中央へ斜めに切り込む。(黒矢印)
パスを受けた12番にルーカスが即チャレンジ。
今度はミルナーがカバーを行う。
ルーカスはボールマンへしっかりと寄せきる。
3人のカバーが効いているのでここでパスをカットできるロジックなのです。
(見事なチャレンジ&カバーを見たぼく↑)
ここ数年、アヘアヘロンドおじさんが監督だったせいもあり、マトモな守備を見ていなかった代償なのか、自然に恍惚とした表情になってしまいますなあ。
イタリアの某赤黒クラブより固い(確信)
得意のプレッシングだけでなく引いた守備でも組織的に守れている。
満足な練習時間も得られていない中、3試合目でこの完成度は素晴らしいですね。
ただリトリートは置いておいて、プレッシングには問題があります。
再現性という点においては優れているものの、まだまだ要改善です。
局面は右から左にプレスをかけるリバプール
オリギは横からチェイス。
CBはサイドのSBヘパス。
しかし、インサイドハーフのチャンがSBのドリブルコースを切れていない。
(チャンだけが悪い訳ではないけども。)
スピードに乗ったSBはそのまま前進を続ける。
1本のパスとドリブルで簡単に自陣まで運ばれる始末。
連動していない単発プレスだと、こうなります。
選手の距離感を調整し、完成度を更に更に高める必要性があります。
ここでクロップの言葉を引用すると、
選手はもっと!もっとワイルドに!プレーをしなければいけない!!
また、本田の言葉を拝借すると
「ノビシロですn」(以下省略)
まだあと数点、気になる所がありますが、たった4試合の出来でネガりまくって、清水◯彦さんみたいになってしまうのもあれなのでこの辺にしましょう。ね。
*Offense
攻撃の話をしたいのですが、正直、まだ規則性を把握できていません。(爆)
なので、わかる範囲でやっていきます。
特徴的なのはビルドアップ。
両サイド落とす事もあれば、片サイドだけということもあり、SBを上げずにそのまま組み立てる形も見られるので、毎回行われる訳ではなさそうです。
得点を狙いに行く際に現れる形だったりするのかなと思います。
特に右サイドで顕著に見られます。
その際、逆サイドのチャンはルーカスの隣でボランチっぽくなったり、サコーの隣に居たりと自由に振る舞っています。
インサイドハーフ落しの狙いとしては
1:SBを高い位置に押し上げる事が出来る(相手のSHを押し込める)
2:インサイドハーフを最終ラインに置く事で安定したポゼッションの構築。
3:被プレッシングの際、回避しやすくなる。
と言った感じだと思います。
パクリとかじゃないよね。うん。
トレースでもないしオマージュでもないよね。うんうん。
こういうのってやったもん勝ちだもんね。ね?
これは・・・雲泥の差ですね。。。
どっちが雲でどっちが泥かは言いません。
「あえてn。」(以下省略)
基本的に右サイドで作って、左で仕留める形なのかなと思います。
ミルナー、クライン、ララーナでトライアングルを形成し、角度をつけたクロス。
また右サイドからのクロスに対し、ニア、中央、SBの死角である大外と合わせるポイントを3点作るのはユルゲン・クロップが徹底している攻撃事項の一つだと思います。
この大型ドイツ人は昨季CBとして開花し、今季は中盤での起用。
その理由としては空中戦の強さという利があります。
SB対チャンの空中戦ならば圧倒的にチャンが有利な状況。
意図的に作っている状況なのだから、豪快に叩き込んでほしいと願うばかり。
これからも23番には要注目ですね。
あとサウサンプトン戦で解説のエ◯マサ氏が
「クロップの代名詞であるゲーゲンプレスですが、もはやクロップ特有のものではない。攻守の高速切り替えなど現代のフットボールでは当たり前だ」
みたいなことを言っていました。正論です。
この人にしては珍しく!良い事言ってます(爆)
ペップの著書『HERR PEP』より抜粋。
ピッチを縦に5分割した際、WGとSBは同じレーンにいてはいけない。
お互いが隣り合うレーンにポジショニングする事によって、パスコースが生まれ相手に混乱をもたらす。
更に外側がボールをロストしても内側が迅速にカバーリングが行えるのだ。
と言った内容の記述がありました。
おそらくこの法則、リバプールもやっていると思います。
ってのが私の個人的な感想なのですが笑
カウンターを防ぎ、素早く攻撃に移行する術としては非常に優れていると思います。
いまや攻撃時にボールロスト後の動きを考え、
守備時にボールを奪った後の動きを考える時代なのです。
ポゼッションが握れるだけではいけないし、バスを停める事だけに特化しても欧州の上位には勝ち上がれないのです。
昨今のCL、プレミアリーグ勢が勝ち上がれない理由の一つです。
クロップの招聘には懐疑的だったのが正直なところなのですが、ここ数試合で腱鞘炎になるぐらい手のひらを返させて頂きました。
我々は疑うものから信じるものへ変わらなければならない。
どんなに最低でも2年間はNormal Oneを信じるBELIEVERになろう!!
って言ってました。
「リトルりーせ、がね。」
おわり。