Manchester United × Liverpool
ファンハール「リヴァプールは私にとってこれ以上無い最高のクラブだ。
なぜなら、いままで戦ってきた試合、全て!勝利しているからね。」(ニッコリ)
畜生だ。コレはまごう事無い畜生である。
蛭子能収、トミーズ雅あたりの者だけが許される類のド畜生発言である。
さてはこやつ、前世はポルポトの側近だな。きっとそうだ。
と言う訳で今回は、畜生感満載のマッチレポートを。
*スターティングメンバー
ユナイテッドはルーニーが欠場。
対するリバポはコウチーニョ、ララーナ、スタリッジ、ヘンダーソンの飛車、角、金、銀の4枚落ち。
お互い正キャプテンと10番を欠く試合。
ユナイテッドは4-2-3-1でリバプールは4-1-4-1。
両者、ガップリ四つで組み合う布陣の試合となります。
英国最大級のビッグマッチ。
他リーグクラスタからも注目度の高い試合だったと思うのですが
「お互い、メンツしょぼすぎじゃね??」
「ナショナルダービーwwwwwwwwンゴwwwwwwwwww」
??「マンチェスターユナイテッドとリバプールは優勝を金で買おうとしている」(50代 英国在住ポルトガル人 男性)
試合前からこんな声が聞こえてきそうな試合でした。
では実際に試合を振り返ってみましょう。
*ファンハールの策
まずホームのユナイテッドが仕掛けます。
選手個々の質で勝るユナイテッドのファンハールは11人対11人の試合をよりシンプルにする策としてマンツーマンプレスを敢行。
スペースではなく、パスを受ける選手達を潰す事でリバプールのビルドアップ阻害が、最初の策だったのでしょう。
そして、プレスの標的にされたのは右CBシュクルテルとGKのミニョレ。
局面は右から左に攻めるリバプール
このようなマンツーマンでパスの受け手を潰すユナイテッド。
また1トップのフェライニは1人で2人のCBを相手することになります。
この時、重要なのがボールマンに激しくプレッシャーをかけるのではなく、CB間にポジショニングすることで、CB同士の横パスを禁止させること。
これはドリブル、フィードに不安があり、展開力の低いシュクルテルに1秒でも長くボールを保持させようとするポジショニング。
キック精度の低さ、足下の稚拙さが目立つシュクルテルとミニョレに出来るだけボールを触らせようとする意図が感じられるファンハールの策。
さらにプレスはこんな場面にも徹底されており
ユナイテッドはスロワーの周囲に逆サイドのマタ、両ボランチ、トップを絞らせ、左SBも押し上げることで7人の密集を作る。
この時、黄色丸のスペースでボール狩り→ショートカウンター発動!が理想形。
それが不可能ならば再び、シュクルテル、ミニョレにボールを触らせるようなプレッシングに切り替える。
事実、リバプールはこの2人からボールロストを連発。
序盤はユナイテッドがボールを抱える展開に。
*リバプールの守備
ではリバプールの守備はどうだったかと言いますと。
今季から始めた4−1−4−1でユナイテッド攻撃陣を迎え撃つ様相。
カウンターの基準点となる1トップのベンテケだけを敵陣に残し、 最終ラインをペナルティエリアの約10メートル前に設定し、9人の守備ブロックを形成。
エミレーツでの試合同様に「ボールポゼッションは譲るが、スペースは譲らない」式で失点しないよう、手堅く試合に入ったロジャーズ。
耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ守備。
山本玄峰をリスペクトしていくスタイル。
左サイドではマタ、ダルミアン、エレーラ、キャリックがショートパスとフリーランでリバプールの守備を崩しにかかるも、漢イングスがグリーズマンばりの泥臭い守備を発揮し、ユナイテッドの攻撃を封殺する。
ハリルホジッチの言葉を借りるならば『デュエル』が右サイドでは行われていた。
WGのデパイがドリブルでシンプルに仕掛け、右SBクラインが対峙するシーンが強く印象に残った。またクラインがデパイを完璧に抑えていた事も追記。
時折、機動力に溢れるSB、ルークショーが高い位置まで攻め上がるも、右SHフィルミーノの奮闘でユナイテッドの攻撃を沈静化する。
しかし、このシステムではどうしてもボール奪取が自陣の低い位置になってしまい、カウンターを仕掛けようにも、CBやSBを押し上げるユナイテッドのゲーゲンプレスにより、思うようにボールを運べないリバプール。
しかし、ある程度押し込まれることは完全に想定内。
(マンツーマンは想定外だったと思うけども。)
事実、リバプールは前半の終了時、80%近いボールポゼッションを相手に譲るものの、決定機どころかシュートすら1本も打たせていない。
高いインテンシティを武器に、主導権を握り得点を決めたかったユナイテッド。
堅い守備で迎撃し、カウンターを仕掛けたいリバプール。
双方、試合の狙いが見えた前半でした。
*動き始めた試合
ユナイテッドは後半開始と同時にヤングを投入します。(デパイと交代)
デパイよりも周りの選手を使う技術に長けているヤングの活躍でユナイテッドの左サイドは躍動しだします。
そのヤングに対してクラインがファウルを犯し、FKでリバプールは失点(ヤング相手に接触プレーはNG。)
リバポの失点シーンですけど非常に面白かったのでキャプを。
こんな流れです。
「エリア内でブリントにフリーでシュートを打たせる」という答えから逆算したサインプレーですね。セットプレーをゾーンで守ると、こういうサインプレーにあっさりとやられてしまうんですよね。
凄くキレイにぶち込まれたので「ぐぬぬ」しか言えません。お見事。
個人的感情なのですが、バスケットボール経験者として思うのが、このシュバインシュタイガーのプレーが「スクリーン」だと認識されないで欲しいなあ。
不動の壁になるバスケットボールのスクリーンとは違い、両手で相手を抱きかかえており、完全に両足が動いている。100%、ムービングピックと見なされてオフェンス側のファウルを取られます。(バスケのルールだったら。)
オマー・アシクだってこんなに露骨なムービングピックしませんよ。
意図的に「相手の行動を制限する」という概念自体は似ているのかもしれないけれど、これをスクリーンと呼称するのはおかしいと思う。
「ブロッキング」「ハッキング」「ホールディング」等の方が意味的にしっくりくるような感じがありますが、これ関連の名称に自信のある方はTwitterでもコメント欄でも結構ですので、優しく教えてください。
そもそもシュバインシュタイガーの「両手で抱きかかえ、クラインの進路を妨害する行為」はノーファウルで正しいのかな?
競技規則を調べてみたのですが、よくわからないので競技規則に自信ニキは優しく教えてくださいな。
*崩れたリバプール
ユナイテッドのプレス強度が落ちた事も要因となり、奮起したリバプールは失点後は前半よりボールが持てる展開に。
しかし、必死の反撃もデヘアの壁を破れず。
同点弾どころかゴメスの集中力の欠けたスライディングがPKの判定、2失点目。
(あそこでキャリックにノープレッシャーは絶対に御法度。)
ベンテケのスーパーバイシクルシュートで1点を返すも、終盤にはアンリ2世ことマルシャルに鮮やかなデビュー弾を決められ、合計3失点。
結果、3−1でリバプールは敗戦。
ナショナルダービーは3連敗、ブレンダンロジャーズの首もいよいよ冬の網走レベルに涼しくなってきた模様。
PKを与えてしまったゴメスを筆頭に。
先発11人中3人が新加入のユナイテッドに対し、倍の6人が先発したリバプールはまだ選手同士の意思疎通、ひいてはチームとしての完成度がまだ低いなと思いました。
例えばこのシーン。
局面は右から左へ攻めるリバプール
クラインへのパスコースを切りながらシュクルテルにプレスをかけるデパイ。
デパイとは、まだ十分に距離があるので余裕を持ってルーカスにパスを出すシュクルテル。
縦パスを受ける前に首を振って次の展開を練るルーカス。
続いてエレーラがルーカスにプレス。
ルーカスはダイレクトでサイドに展開。
ショーの縦スライドでインターセプト。
ショーが見事な読みを見せたのは勿論ですが、クライン、フィルミーノに気の利いた動きが出来ていたらこのプレスは突破できていたと思う訳です。
受け手の次の受け手である3人目が意識しないといけないですね。2人だけの単純なパス交換だけでこのレベルのプレス突破は厳しいですよと。
次は左から右に攻めるユナイテッドに対してリバプールがプレスを敢行するシーン。
目には目を。ということで横並びの3人に対して3人をぶつける前プレ。
このあと、シュバインシュタイガーは縦パスを出すのですがユナイテッドのボランチが縦関係になっているので、パスの受け手はキャリック。
ハーフターンでもしようものならミルナー、ルーカスの忠犬タックルでショートカウンターや!のシーンなのですが。
ファッ!????
ショートカウンターどころか完璧に前を向かれてドリブルで爆走されとるがなwwwwww
アザールとちゃうんやぞwwwwwww
このあと、ズルズルと後退。ノーリスクでボールを前進させられます。
これフィルミーノの帰陣が遅れたことがそもそもの起因になっているんですよね。ベンテケ、フィルミーノの2枚プレスでは分が悪いと認識したチャンが思い切って前プレに参加。しかし無情にも味方は分断、この展開になった訳です。
フィルミーノは守備での軽い対応、帰陣の遅さ、攻守切り替えのスピードに難があるシーンが目立つ。プレミアリーグ1年目という側面もありますが一刻も早いフィットを望みます。
少々厳しい目線になりますが、チャンが飛び出した時点でミルナーもこの前プレに続かなければいけない。フィルミーノの場所をカバーする判断も決して悪くはないのですが、この場合の優先順位としてはボール>スペースです。
試合中、イレギュラーな状況に陥ることは多々あります。ミルナーは最適解を見出す努力が必要なのかもしれませんね。
右から左に攻めるリバプール。
ユナイテッドのゲーゲンプレスを回避し、チャンのゴリブルに合わせたベンテケがCBの裏を取ろうとしたシーン。
そしてオフサイドを取られるのですが。
どうして、これで裏を取れないかねー(⌒-⌒; )
ボールマンとCBの両方を視野に入っている。なおかつボールマンには軽いプレッシャーしか、かかっていない状況。
相手の最終ラインを見ながら裏に抜け出せるストライカーにとっちゃこれ以上ない絶好シチュエーションなんですけどねえ。
このベンテケを見て、スペイン方面からこんな声が。
スアレス「ここでオフサイすかwwww」
トーレス「ごもっともっすwww俺ならGKかわしてますよwwww(決めるとは言ってない)」
この状況、おそらくアグエロやコスタあたりなら完璧にCBの裏を取ってゴールパフォーマンスの最中にハムストリングスを肉離れしてる案件ですな。
厳しい試合ではこういった数少ないチャンスを生かせないといけない。個人的にティム・シャーウッドの「ベンテケはリバプールでは輝けない」発言をプギャーしたいので、ベンテケはこういうところ、しっかり頼みますよ。
もちろん、既存のメンバーにも足りない部分はあります。
相変わらずシュクルテル、ミニョレはビルドアップの貢献度が低いという問題。
個人でプレスを突破するのは難しいので、たまには味方と連動したチャレンジをしてみませんかという話でして。
たとえば
ミニョレを壁役にしたパスでロブレンにボール渡すとか。
たとえば
勇気を持ったドリブルで前進、相手を食いつかせて
サイドに展開するとか、もっとやりようはあります。
もちろんCBのボールロストはそれ相応のリスクを背負ったプレーではあるのですが、ユナイテッドだってマンツーマンというリスクを背負っている以上、それに対抗するプレーをしなければ、やられる一方です。
こう言ったリスクとリターンのバランスは非常に難解ですのでアンチェロッティ教授のチーム作りから正解を享受しましょう。
(教授と享受をかける高度なボケ)
最後は監督のロジャーズ。
完全に見通しが甘い。あんた、マンツーマンは完璧に計算外だっただろうと。
ビハインドの状況を打開する策が選手交代だけじゃ解任解任と騒がれてもしょうがないですよと。
マンツーマンで来るかも?という予測さえ出来ていれば、もっとやれたはず。
マンツーマンの特徴は『自分たちのポジショニングによって相手のポジショニングが決まる』という事。
それを逆手に取って
両WGを高い位置に押し上げると同時に、両SBを低い位置に下ろす。
相手を強制的に4-3-3の形にして。
ベンテケをトップから下ろして、中盤で4対3を作るとか。
前線に大きく蹴るにしても、ブリント、ショーのいる左サイドにベンテケを流してフリックを使うとか。やりようがもっともっとあるはず。
見通しが本当に甘い。甘すぎる。
ロジャーズはこれまで、時間は十分すぎるほどに与えられてきたはず。
今季に限っては、補強も全て任せてもらっているのだから勝てない責任の所在は全てロジャーズだし、選手が活躍できないのもロジャーズの工夫が足りないせいだ。
選手自体の質や怪我人がどうこうの事情もわかるけども、どうしても納得できない。圧倒的に細部が荒すぎる。
次こそはファンハールにリベンジを決め込んでほしいのですが、ロジャーズが解任されている可能性がそれなりに高いので期待できないのが正直なところ。
なおかつサポーターの間でもロジャーズへの反対勢力は多い。
KOPから満足なサポートも受けれないこの状況からどう打開するのか。今後のロジャーズの立ち振る舞いに注目してみましょう。
次の監督総選挙はTwitter上だとクロップ、アンチェロッティの2強ですね。
どちらも見てみたいですな。
え?ぼくですか?
パコヘメスがいいです(^q^)
おわり。